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シェフインタビュー No.23

フレンチに馴染みが無い人であっても、気軽に食べれる。そんな料理を提供していきたい。 -仲道敏夫シェフ-

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料理に既に興味を持っていた子供時代

-子供の頃はどんな子でしたか?

外で遊ぶのが好きな子供でした。小さい時は、スポーツや釣りをして遊びました。出身は静岡の浜松です。周りにも釣りをやる人が多く、習ったりしながらです。その頃から割と実は料理への興味が芽生えていて、マンガなどでよく釣ってきたものを自分でさばくシーンを見て、面白そうだなと思って自分でもやってみたりしてました。当時はぐちゃぐちゃでしたけど(笑)家の近くに自転車で10分ほどで行ける海があり、川もたくさんあったのが大きいです。

-サーフィンもその頃からですか?
編注)仲道シェフは大のサーフィン好きです

サーフィンを本格的にやり始めたのは高校出てからです。高校生の時からサーファーの人についていって、貸してもらうこともありましたが、高校生の時は中々経済的にもボードを持つ余裕がないですから。大学生になり、車の免許を取ってから本格的にやり始めましたね。

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高校生の時には既に料理人になることを決意

編注)上の写真は、渋谷にある仲道シェフがオーナーのお店、vintheo(ヴァンテオ)です。

-料理人になろうと思ったのはいつ頃ですか?

職業にしようと思ったのは、高校くらい。きっかけはあまり覚えてないですが、作るのが小中学生の時から好きでした。土曜日は給食がないじゃないですか。だから家に帰ってきて親と一緒に作ったりしてました。

高校出てすぐに料理人になろうと思ったのですが、教師をやっていた親の意向を汲み、大学に進学することになり上京しました。ただ、どこに行きたいとかはなかったので、勉強するかはさておき、仏文科にしてみるか、といったノリ。結果勉強はしませんでしたね(笑)

でも、行かなかったよりは良かったと思います。フランスの文学なんかも一応学びましたが、一番良かったのは、言葉が自然と勉強できた、というところです。

大学で東京に出てきてから、将来も見据えてビストロでバイトを始めました。最初はホール担当です。そのお店が老舗の高級フレンチとのつながりがあり、研修に行かせてもらえたんです。大学3年と4年の時です。そこで初めてフランス料理に触れることとなりました。

研修中は修行というよりは、大学生なので、、週何回か行って習うというか慣れるといった形です。そしてその後そこに入社させてもらうこととなりました。修行に入ったら、、、厳しかったですね。。どんどん仕事が降ってきて、でもできないから怒られる。勤務時間も朝から夜中までと長かったです。

それでも続けられたのは、やっぱり自分がやりたいことだったというのがあります。とにかく忙しくて、お客さんの顔を見る余裕とかなかったです。でもなによりうれしかったのが、仕事が身に付いている、という実感です。実になっているという実感があり、自分自身の成長を感じられましたから。それが糧でした。今の子たちもそういのが糧になれば、続くと思います。

-フレンチ以外で好きな料理ありますか?

フレンチ以外で好きなものは、、、甘党です。お菓子が大好き。毎日甘いものを食べてます。他の料理はそこまで好きとかはなかったんですが、デザートを自分で作ることは大学生の時はよくやってました。

-シェフによってはデザートは作らない人もいますね。
甘いの食べれない人が作るデザートはすぐにわかります。甘党な人が作るデザートはすごくおいしい。甘いものを食べない人はおいしくない。レシピだけでおいしいものは作れないですね。

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作りたかったのはお客さんとの距離感が近いお店

-独立しようと思ったきっかけは?時期的に決めてましたか?

これも高校の頃から30歳くらいには独立しようと決めてました。目標には経営者というのがありました。料理人だけじゃなく、経営をしたかったんです。ただ、経営するためには料理もきちんとしてないと、説得力がないというイメージがあったので。今の時代はそうでもないかもしれないですが、当時は料理人>経営者的な時代でしたから。

-店以外で作るようになったきっかけは何でしょうか?
お客さんから頼まれたのがきっかけです。常連さんです。お店で話をしている最中に、聞いてみたらOKだった、というノリだったと思います。

-お客さんと話す距離にいたということですね?
そうです。お店のサイズは意識的に小さくしてます。厨房のスタッフもお客さんと話せる距離にしてます。というのも、レストランに入った時にちょっと違うなというのがあったんです。シェフとホールスタッフの人しかお客さんを目にしない。特に昔はそういうのが濃い時代で、カウンターでビストロなんていうスタイルは昔はなかったですからね。

大学の時に勤めたビストロが今でいうバルみたいなところで、楽しそうにごはん食べて酔っぱらってというところだったので、そんなお店にしたいというのがありました。それと、お店のコンセプトとしては、食べたことない人が気軽に食べれるフレンチ、というのがあります。

既にこなれた人はこなれたお店にいってもらうのがいいと思うんです。それよりも、あまりこなれてない人。そういった人でも気軽に来れるようなお店作りをしてます。今でこそほろほろ鶏ってみんな知ってますけど、独立した時は知らない人がほとんどで、そういう人に食べてほしかったんです。フレンチのメニューはわかりづらいことが多いですから。パスタやパエリアなんかも昔からやってました。パスタってイタリアンじゃないの?なんて言われたりもしましたが、こだわりはあまりなく、締めで食べるお客さんがいるから出す、といった感じで、お客さんが食べたければ出しますよ、といったスタンスでやってきました。

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出張料理は売上と経験を積む場

-出張料理を経営者としてはどうとらえてますか?

第一に店舗内では取れない売上が取れる。これは間違いないです。そして店舗内では経験できないことが経験できる。仕込んで、また先方で仕上げるという店内ではできない作業ができて、経験値も上がっていく。すごく難しいと言えば難しい。慣れているところで慣れている料理を作るのとは違う。それなりに時間もかかるので。持っていってさらにそこから、というはやったことがないとかなり面白いです。大変というよりは面白い。

-失敗談ありますか?
物や食材を忘れて、スタッフに取ってきてもらうというのはありました。失敗とまでは言わないですが、時間通りに思ったようにことが進まないというのもあります。設備が普段と違うというのはやはり影響は受けますね。そして、お客様のリズムに巻き込まれることもあります。他人の家に行くので、タイミングとか、いつかな?いつ始まるのかな?みたいのが聞けない。そしたら向こうも待ってた。みたいな。お互い少し気にしていたみたいです(笑)

人材育成の観点からは、ゆくゆくお店のスタッフの経験値が積み重なればいいと思います。そうすれば受けられる量も増えてきますから。稼働率をうまく上げることができればそれはお店にとってプラスですからね。早い時間帯、17時開始というのもウェルカムです。

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出張料理は料理人として成長するチャンス

-出張料理人が増えてきた感がありますが、何か背景を感じますか?

増えていると思いますね。よく耳にします。結局、家で何かやりたい人が増えてるのではないかと。それは食事だけでないです。くつろげるというのが一番大きいのだと思います。法人の利用も増えてきていると感じますね。

-出張料理が向いている人はどんな料理人でしょうか?
ちゃんと商売としての料理を理解できる人。家庭で作るにしても、手際がいろいろあり、可能、不可能もあります。これは持って行けないとか、これはあそこでは作れないとか。ただ、作るだけじゃなく、商業的な料理をしなくてはならない。お客さんにおいしいと思ってもらうということと、環境面のことを同時に考えらることが必要ですね。限界も理解をしておかないといけません。

全ての環境が整ったお店で作るのとは違う。プロデュースする力と言ってもいいです。ベストの7割くらいでもおいしいと思ってもらえる料理を作れないといけない。これはお店で働いているだけだと、わからないことです。お店ではうまく作れても、家庭では作れないものがある。そういう意味では外に出ていくことは、成長を促すことになると見てます。新しいことが何か見つかるかもしれないという期待感を持ってます。将来的に自分の商売の可能性が広がるイメージは持ちながらやってますね。